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2007年6月 9日 (土)

ザクVer.2.0

会社でザクVer.2.0のパチ組みを見る。
よくできてる。
細かいことを言い出せばキリがないけど(胸正面のゆるいエッジはもう少し下のほうがいいとか、つま先可動部の愛想のないぶった切り処理なんとかしろとか)、完成度は高い。
首が向いた方向に視線を連動させるモノアイのギミックはかなり気が利いてる。「ザク」を表現する仕掛けとして見事なパッケージングだと思う。アクチュエータ状の可動部もリアリティという観点から考えると疑問もあるが、うまくまとめてある。
なるほど。これと同時進行だったからHi-νはあそこまでグダグダなのか。設計の主戦力をザクに回し、余剰戦力でHi-νを適当にこなしやがったな、と。

全体としては例によって「スチロール樹脂とABS樹脂で出来た高密度なアクションフィギュア」という印象だが、プロダクトとしての完成度には思わず唸る。組み立て式アクションフィギュアとなった現在のMGにおいて一つの到達点なのだろう。この完成度をもって今後のマスターグレードの方向性をメーカーが示したと、そう考えるべき製品に思える。

MGシリーズ当初の対象年齢を上げ、形状やプロポーションの解像度を高めた模型的でマニアックwなアプローチにはある程度見切りがつけられ、組み立て模型の姿を借りた玩具にシフトしきった事にはこれ以上、何も言うまい。
ガンプラは最初期のブームからして「ガキ向けのキャラクターキット」をいい年したモデラーが大人気なく本気で改造してリアルに仕上げるという遊びを起爆剤に成長したものだ。それが結果として元来の本質たる玩具に回帰したとしても、それはある意味自然なことかもしれない。
「ガンプラの模型的アプローチ」とはもとよりイレギュラーな遊びだったのだと、この気の利きすぎるくらいよく出来た組み立て式おもちゃは教えてくれている…ように感じる。

インストにある「ABS樹脂は有機溶剤で破損しやすくなる云々」の文言は要するに「パチ組み推奨」ということなのだろう。塗装に向かない素材を選んだ時点で「消費者各人が好き勝手に色を塗る模型」として向き合うことをメーカーは推奨しない、と明言しているように感じる。
「組み立て・塗装のストレスの軽減」と「組み立て・塗装はストレスそのもの」では似ているようで全く違う。作り手によるゆらぎこそが模型の最大の魅力と俺は考える。巧けりゃ巧いなりに、下手なら下手なりに、「ここはこうだ」という作り手の思い込みを投影出来る(時には夢想や挫折で終わろうと)、可能性と妄想を孕んだ夢の箱こそが「プラモデル」だと思ってきたし、これからもそれは変わらない。
「塗装や組み立てが面倒だとか、それでいて誰が作っても高い完成度が欲しいとか言うならプラモなんか売るのも買うのもやめて完成品だけ売り買いしなよ」、と思うこともあったが、皮肉でも冗談でもなく、今現在のMGは限りなくそれに近い。
結局、親切すぎるほどのプロダクトであるがゆえに失われた模型的な遊びの要素は各消費者レベルの意識次第というところに落ち着いた、と。ま、25年前からある意味そうだったわけだし。ただ、玩具として完成された現在のMGを「模型」にするための作業は決して楽でもなけりゃそれほど楽しくも無いんだよな。そういう意味でコトブキヤのキットはバンダイに精度で劣るも、「模型」であることをやめていない分、モデラー的には断然楽だと思う。願わくばコトブキヤのキットは不用意に触れば怪我するような、文字通り「エッジの立った」製品であり続けて欲しい。

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